上野村

memphisbelle

2007年05月21日 22:05

今でも豊かな自然が残り、村を流れる神流川では渓流釣りが盛んに行われている群馬県多野郡上野村って御存知でしょうか?恥ずかしながら自分は判りませんでした。
御巣鷹山と言ったら、ピン!と来る方も多いと思います。

そう、1985年8月12日午後18時56分、乗客乗員524名を乗せた日航123便が御巣鷹の尾根に墜落した場所です。

19~20日、この上野村出身の友人から誘われ、初めて村を訪れる機会が得られました。
初日の午後、事故で亡くなった方で身元識別が不可能であった遺骨が納められている慰霊の園で、村役場の職員をしているKさんから事故当時のお話を聞きました。


慰霊の園にある碑です。御巣鷹の尾根に向かって建てられており、合掌しているデザインになっています。ここで手を合わせると御巣鷹の尾根に向かって手を合わせている事になります。

Kさんは事故当時、消防団員であり実際に捜索隊に加わっているため、その体験談はとても生々しく、ここに書く事は出来ませんが自分の心にズッシリと響いた事は言うまでもありません。

その日の夜は、Kさんから上野村で自分が獲った鹿を刺身で差し入れして頂き、なんと村長さんまでも地酒や地焼酎を持って宿に尋ねて来て下さいました。


差し入れして戴いた、鹿刺と地焼酎。どちらも旨かったッス。

22年が経過した今でも日航の事故に関わっている村民の色々な話を聞いている内に、『明日は渓流で岩魚や山女を釣って遊ぼう~♪』なんて考えていた自分が恥ずかしくなり、一度でいいから御巣鷹の尾根に登ってみよう...という気持ちが強く沸いて来ました。

翌日は快晴で絶好の登山日和となりました。
今でもボランティアで御巣鷹の尾根を整備し続けている方の案内で登山口へ到着すると、追悼登山者のものと思われる10数台の車が既に停まっていました。御巣鷹の尾根への登山道は数年前に林道が整備され、最初の頃よりはだいぶ登りやすくなり、時間も短くなったそうです。


登山口には自由に使える杖が置いてありました。

登山道は意外と急な坂でしたが、ゆっくり歩いても40分ほどで到着しました。尾根には昇魂の碑が建てられておりましたが、周りの木々には事故の名残も見られます。又、座席のシート番号が書かれた看板があっちこっちに立てられており、これがシートが散在していた場所を表していると聞いた時は、あまりに広範囲に広がっていた事故の惨状が容易に想像出来ました。


尾根には昇魂の碑が建てられていました。

シートの番号の近くには、それぞれの墓標が建てられており関係者でない自分達でも心が痛みます。そして自分の前を歩いていた女性は涙を流しながら歩いていました。尾根の北側にある“すげの沢”側から下ったのですが、こちらにも多くの墓標がありました。
今では登山道が開かれていますが、当時は草木が生い茂り捜索が困難を極めたであろうと思います。

関係者でない自分が、この事故の原因や関係者に対して語る事は出来ませんが、520名もの尊い命を一瞬に亡くしてしまった、この様な事故が二度と起こらない事を祈らずにはいられませんでした。その気持ちは帰って来てからネットで色々と調べている内に余計に強いモノに変わっていきました。

機会があったら是非、上野村を訪れてみて下さい。村長さんの話だと、今年は水量が少なく岩魚は簡単に釣れるけど山女は警戒心が強くなっており難しいとの事でした。釣り以外にも今の時期は山菜が採り放題で、秋にはきのこも沢山採れるとの事でした。又、峠のうどん屋で食べた刺身コンニャクは絶品です。

右を見ても左を見ても樹ばっかり。大きな吊橋がありました。


刺身コンニャクは、あまりに美味くて写真を撮るのも忘れてしまいました。うどんは山菜のてんぷらとかきあげが乗っててボリュームたっぷり。これで500円です。解禁前の鮎も(汗。


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